2010年5月19日水曜日

田植え


代掻きの終わった田んぼには、いろんな生き物たちが姿を現してくれる。刈った畦でヘビたちは日光を浴びたり、杉の木陰でアナグマさんがうんちを飾ったり…泳ぐのがちょっと苦手なミズカマキリの呼吸官を掴んで針のようなすらっとした体型を息子と一緒にみていると、少し深いところにタイコウチがいた。英名を直訳すると、”水中のサソリ”となるけんど、上の写真に写っているこの水生昆虫をみたら、やはり似ているね。

さて、いよいよ田植えだ。まずは熊手のようなもので線を引き、それに合わせて苗を3本くらいずつ丁寧植えていく。一番小さな『金魚の田んぼ』からスタート。苗を泥に預け、中指でちょこっと押して…決して難しい作業ではないけど、苗がぴったっと立つように、間隔を守るように、摘んだ束に苗が多かったり少なかったりしないように…考えてみれば、ポイントがたくさんある。要領をつかめるのに、時間が多少かかるだろうと思いつつ、作業にかかろうとしたところを、隣の田んぼのおばちゃんに止められた。「まずは、元気な苗になりますように、お願いします、というんだよ」、と。なるほど。田の神さまの力がなしに、稲作なんかできないね。みんなで苗たちに対して、田んぼに対して静かなお祈りをする。

手で捕まえたトンボさん。

息子も一生懸命だ。線に合わせて…

丁寧に作業をやってくれた。

苗がなくなったら、すぐに配達。郵便屋さんごっこでけっこう盛り上がってた。

晴天で、あったかい日を選んでよかった。田植えを終えた田んぼの水を再びせき止めて(植える前に、「水を払って」やらないと、深くて線を引けなかったり、濁ってしまうので、何も見えなくなったり…)、水温を高めなくちゃ。山の田んぼなので、苗たちが水をかぶってもいいくらい、ともかく水をたくさん入れておくのがポイント。雪解け水がなくなると、困っちゃうんで、水がたくさんあるうちに溜めておかないとね。


近くの沢でカニさんがいた。から揚げにしたら、美味しいかも。


田んぼの脇に生えている本ワサビ。

植えの田んぼから流れてくる温かい水のほうにオタマジャクシが集まってくる。温泉だ!

杉の木から田んぼを見守っているサギさん。

見守ってお米は手で作って、そしてお薬は使わない。これにこだわって小さな山の田んぼでを稲作に初挑戦、と格好よくいいながらも、一番下の、一番大きな田んぼの田植えをやっているときに、小さな田植え機でもいいのかと思った。腰を曲げて次から次へと苗たちを植えていく。果てしない列。1枚の田んぼを植えるのに、2人がかりで一日かかったもん。

桑取での休日

桑取谷の一番奥にある市民の森へ再び足を運んだ。雪の姿はもはやないけど、積もった雪が残した跡がたくさんある。枝を曲げられても、折られても、花を咲かせる樹たちの強さに感動。
森の管理棟で今年も美味しいコーヒーを出している。湧き水で淹れた挽きたてのコーヒーは(冗談抜きで)この上越で一番うまい。ほんと!繁殖期に入った鳥たちの囀りを聴きながらゆっくりとコーヒーを啜る。これはまさに大人の休日だ。

気づいたら、管理棟のすぐ近くでコゲラの雌が巣作りの真っ最中。穴をどんどん広げ、くずを外に出していくのに一生懸命だ。のんびりしている僕たちが飲み終わった後も、ずっと作業を続けている。

少し山の方にある管理棟まで登っただけで、多少疲れが出ている。そういうときは、やはりハンモック。後は、谷に下りたら、まず温泉。それに、ヒメタケ(とう小柄の竹の一種)がたっぷり入ったお汁(作るときはサバ缶も欠かせない!)。やあ、今回も電池を充電させてもらった。

2010年5月10日月曜日

田んぼ

こうやってみると、山の田んぼがチェコにみえてしまう。僕の実家からかなり離れた南部チェコ地方。17世紀に沼地を鯉の養殖のために無数の池が誕生した。池の岸には並木が並び…不思議なことに、能生の棚田を眺めると、ふるさとの風景が思い浮かぶ。
さて、連休はすっかり農民になって、田んぼの仕事に夢中だった。苗たちがどんどん伸びててもうじき田植えだな。たしかに、今はまさに田植えの時期だ。ただし、苗を植える前に、田んぼを起こさなければならん。山から冷たい雪解け水が流れているので、その流れをせき止めて水温を上げる。水を張るというんだ。オタマジャクシが大喜び。彼らの生き生きしている姿から元気をいっぱいもらえる。上の田んぼで温まった水が自分たちの田んぼへと入る場所を見つけ、オタマジャクシ温泉でじょんのび。真っ黒だよ。

田んぼの畦を固め、畦塗りしなければならない。畦を削って打って稲の株つきの泥をたっぷり入れて、そして最後にキレイな形に仕上げる。生まれて初めての作業なんだけど、なんだか楽しい。

次は代掻き。小型トラクターを貸してもらってとっても助かった。あっという間に終わった。何度も何度もくるくると廻り、”美味しそうな”、キレイな泥んこを仕上げて…焦っちゃいけない仕事。夕焼けとともに三枚目の田んぼの代掻きを終え、ほっとした。

息子も手伝ってくれた。オタマジャクシを捕まえて上の田んぼから下の田んぼへと。今度は真ん中の小さな田んぼへと運んでいく。大忙し。

オタマジャクシはもちろんのこと、アメンボやいろんなクモたち、それにミズカマキリ。今年もタガメを見つけるのだろう。
農作業の合間に駒打ち。ナメコとシイタケを作ろうかと思って…確かに、稲作だけじゃ、一姓だな。どうせなら、百姓を目指して…

後は畦の草刈をやってから田植えだ。

魔女焼き


我が家の恒例の行事。チェコの伝統行事を再現して毎年4月30日に直江津の海岸でやっている。魔女というのは、冬と死の象徴であって、「春がきたぞ」「冬はもうおしまいだぞ!」とう意味をこめて、魔女の人形を火で燃やす(村はずれまで持ってて川に流す習俗もあるけど)。長くて寒い冬を越した人々は、春の来た喜びをこのように表現してきたのだろう。”魔女”という名前が付いたのは、おそらくキリスト教の影響だ。魔女裁判ってやつからマジョに悪いイメージがこびり付いてしまったようなので、偽裁判で有罪になったマジョたちが実際に焼死させられたことから民間行事の名も変わったそうだ。ただし、キリスト教以前、ずっとずっと昔からマジョではなく、”モラナ”と称して”死”を意味している呼び名があった。その名前は今もなお、古い歌に残って厳しい厳しい冬を恐れてた当時の人たちの気持ちを物語っている。



里山の春

連休から暖かい日々がずっと続いているけど、たった十日間前に(4月29日)桑取の谷へ入ったら、まだまだ雪がたくさん残っていた。かみえちご山里ファン倶楽部主催の春の散策会に今年も家族で参加して新緑を着たばかりのブナ林と雪を同時に味わってきた。
林の中からヤブサメのさえずりが聴こえ、サンショウクイの「ピリリ」も山に響いた(山椒を食べるとピリ辛いということから名前がきたようだ。)。川の方に降りたら、今度はオオルリのカップルが姿を現してくれた。樹のうろに寝ぼけたハクビシンがこっちをじっと見つめ、タヌキさんやイノシシのふんも発見。

コシノコバイモ

ただし、なんといっても植物たちがとっても美しかった。雪の溶けたところにはカタクリが花を一面咲かせ、コシノコバイモやコシノカンアオイ、コシ、つまり越後の越がつく、この辺でしか見られない品種の名前を憶えるのに今年も必死。

コシノカンアオイ

形が楽器に似ていることから名前をもらったコシノチャルメルソウ

ハナワサビ (食べたら、ピリッと辛く、美味しかった)

タヌキラン (まあ、多少似てはいるけど…)

ナガハシスミレをこの地域でテングスミレっていうのだ。たしかに天狗さんのお鼻にそっくりだ!

2010年5月8日土曜日

弥彦の湯かけ祭 

 
 最近はばたばたしててブログの方にまったく手が回らない状態。今夜、やっとパソコンの画面に向かって弥彦神社の湯かけ祭の映像を編集した。すでに一ヶ月が経とうとしているけれども、お祭りの思い出はまだまだ新鮮なままだ。お祭りの不思議な力かなぁ。人々をまとめ、日常から離れ、日々送っている生活から脱線した特別な時。めでたい日。弥彦神社氏子青年会の皆さんと一緒になって毎年4月の湯かけ祭と7月の灯籠祭りに参加させていただいている。今年も楽しかった!ありがとう!

 湯かけ祭とは、その名の通り、弥彦温泉の薬湯を弥彦神社に奉納するお祭りだ。ただ、決して古いお祭ではない。長いなが~い伝統を持つ灯籠祭と比べたら、まさに祭祀の赤ちゃんだ。でも、なかなか面白い。弥彦駅から湯引き車を引っ張っていくんだけれでも、途中で一宮甚句や樽太鼓、または芸妓たちの踊りなど、少しは休んでお祭ならではの楽しみがある。
 ただお社へと引っ張っていくだけじゃつまらないので、掛け声に合わせて綱を持ち上げたり、下げたり、右行ったり左行ったり、まぁよく遊ぶ。その掛け声もまた独特で、お祭のリズムを決め、まさに湯かけ祭りの持ち味なのだ。
 しかし、何といっても、たまに後の方へ引き、車を逆走させようとしている後綱のいたずらは見どころだ。といいながらも、いつもいつも後綱のメンバーでみたことがない僕... 境内に入る直前のところは見せ場であって、力を出し切って引っ張っているのだ。
 
 ただし、後綱がいくら頑張っても、毎年負けてしまい、湯引き車はやがて境内へと入る。そのときに、お湯を3つの小さい樽に移し、今度は担いでいく。そのお湯を最後にちゃんと奉納するけれども、3番目の樽だけが少し特別。激しく持ち上げたり、もんだりして、一滴も残さないようにと、湯かけ祭りの最後の見どころをつくる。
 今年は、桜もまだまだという感じだったし、それに、正直なところ、寒かった。でも、その分、やり甲斐があった。それもお祭りの力だろう。

 ※ nikoが撮ってくれた映像を編集してみたので、
YouTUBEでご覧ください。




2010年5月2日日曜日

山の恵をいただきます

またまた登場のNIKOです。
今日はこの時期にしか味わえない山の恵をお伝えします!

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今年も待ちに待った山菜の季節がやってきました!この時期にしか味わえない山の恵には、どんな高級料亭の味もかないません。

山菜といえば、まずあがるのが山菜の王様タラの芽。新芽をてんぷらにしたり、茹でて胡麻和えにして食べることもあります。


それから、新潟ではタラの芽以上においしいと人気があるのがコシアブラ。香りがさわやかで、本当に美味しいコシアブラ。アクもなく、調理も簡単です。てんぷらで食べるのが一般的ですが、茹でて和え物にするもよし。そして今年我が家でハマったのは、コシアブラを刻んで塩もみし、ご飯に混ぜるコシアブラ飯でした! コシアブラおにぎりは、お弁当に最適。


さて、タラの芽やコシアブラに先駆けて、まず真っ先にもりに顔を出すのはコゴミです。コゴミもあくやくせが少なく、食べやすい山菜。てんぷらもいいですが、さっと茹でてマヨネーズでシンプルに食べるのが一番。息子も何本でもパクパク食べてくれます。


コゴミ・タラの芽・コシアブラが落ち着いてくると、ゼンマイやワラビの季節がやってきます。ゼンマイは採った後の下処理(綿をとって茹で、もみながら何日もかけて天日干しします)がちょっと大変ですが、煮物にすると最高の味です。ワラビは灰と熱湯に一晩つけてあくを抜いた後、様々な料理に変身! 煮物や炊き込みご飯が一般的ですが、我が家ではワラビをすりつぶして味噌を混ぜたワラビのとろろや、ごま油をめんつゆで和えて作るナムルが定番です。

                    (こんにちは、ワラビです)

ほかにも、山ウドやシオデ(山のアスパラと呼ばれています)、トリアシ(お味噌汁に入れると絶品!)など、この時期ならではの美味しいものがいっぱいで、春の森からは出てこられません。

採れたての山菜をその場で調理・・・最高のぜいたくですよね!ビールもすすみます! あ~、幸せ~♪