2010年3月18日木曜日

まだまだ遠い春


友人のお家は山の奥にある。川が流れる小さな谷。冬になると、雪に閉ざされてしまうような場所。除雪されていないので、冬季は里に下りている。今年の積雪が少し気になって屋根にのしかかっている雪で家がつぶれたのでは、という心配もある中、2人で山に入った。僕は、この間作った山かんじきを履き、彼はテレマークだった。峠を越えてお家のある谷までおよそ6キロの距離。まあ、汗かいた。峠にたどり着いたころには背中から湯気がホッポッと出ていた。かんじきを脱いで今度はスキーに履き換えたが、登りも降りもすいすいといけるテレマークがうらやましかった。自分で作ったかんじきというプライドがあっても、その日だけはテレマークがほんと欲しかったんだ。だって、待ち望んでいた峠からお家までのなだらかな坂でさえ、スキーをちっとも活かせなかった。前の日に新雪が積もり、当日は気温が高く、なんとも言えない雪質だった。見事に滑れなかった!



家の一階はまだ雪に埋もれ、屋根にも雪がたくさん残っていた。ただ、川が元気に流れていて、日差しのいいところには、ぼちぼちとふきのとうが顔を出し始めているという感じだった。ウサギたちの足跡はあっちこっちにあったけど、山はとっても静かだった。暖かい日差しを浴びながら雪下ろしを始めた。重たくて湿った雪を少しづつ少しづつ...スコップ一つ一つが重たくて...屋根にのっかってた雪の重さを考えてみると、よくぞ耐えた!よくぞ建てた!としか思えない。感動した。だって本当に重いんだ。越後の雪ってやつは... 作業を終え、これでまず一安心だろう。

帰りにかんじきの縄が少し水分を吸って緩んでしまったけど、大して沈まずに峠まで着いた。そこからはまたスキー出番だ。普通の板なので(しかし、今思えば、リュックに入っていたブーツが重たかったなぁ)、急な斜面でも大丈夫かと思いきや、この雪じゃ無理!滑れることは滑れけど、曲がれない。アルプスなどで滑ってきたもんだから、自信があったけど、圧雪されたところじゃなく、しかもこの重たい雪ではとっても無理だった。板が完全にはまっている感じ。深いところに入ると、速度が急に落ち、引っ張られているような感じだった。この感覚をつかむまで(いや、まだ全然つかんでいないけど)、2回くらい転んでしまった。まるで”初めてのスキー教室”のようだった。(笑)
やあ、楽しかった。




2010年3月10日水曜日

キャンドル・ロード

上越後の山奥にある安塚という小さな街。長い谷筋に家々が散らばって山と田んぼといった雪国らしい風景が広がっている素敵なところだ。毎年毎年雪に埋もれてしまうけれども、地元の人たちは「雪を楽しもう!」という気持ちを込めて色んなイベントを企んでいる。今年も、谷底を流れる川から峠のスキー場までの道沿いに何千個ものの雪キャンドルを作り、夜の安塚に神秘的な雰囲気が漂っていた。幻のような、おとぎ話のような、なんとも言えない世界だ。道の両側に炎が舞い、小さな灯りが道標になっている。どこへと導いてゆくだろうと...ところどころには、雪で作った小さなお城や機関車、キャンドルの迷路のようないろんなものが作られているし、雪でできた縁結び神社もある。

トトロも、蓑を被った雪だるまたちも...


本場の味

この間、あったかいって言いながら家族で三浦半島に足を運んだ。友だちがダウンを離せない中でセーターだけで暑いくらい、いかにも雪国からきた者...子どもたちと一緒にイチゴ狩りをやった後、お腹がいっぱいになったかと思いきや、市場の近くでマグロ料理を散々食った。さすがにうまかった。本場の味だ!とろと赤身がともに舞っているこの二色マグロ丼に心を奪われ、しばらくの間、別世界に入っていたかのうようにゆっくりとこのマグロを味わっていた。イチゴたちには申し訳ないけど、帰りの運転は、僕ずっとまぐろのことを思っていたんだ。


ふきのとう


街の中で雨が降っても朝起きたら周りの山は白い服を纏っている。ただし、ぽかぽか日が増え、融けてゆく雪の中からふきのとうが顔を出している。しかし、この春の特使を残酷な運命が待っている。雪の下で力をいっぱい蓄え、やっと日差しを浴びれた途端、うちのよめっこがこのふきのとうをうれしそうに摘み、ものすごく美味しい天ぷらにしてくれる。春の力、ふきのとうの力をいただいてありがとう。
それに、ふきみそ。味噌とくるみなどと混ぜ、白いご飯の友のできあがり!

「山菜の時期がもうすぐ来るぞ!」と告げているかのうように、ふきのとうにつづいてこしあぶらやたらの芽を楽しみにしている。やぁ、長い冬が終わり...



2010年3月9日火曜日

消防博物館

 先日は関東にいってきた。よめっこが広尾の辺りで用があったので、男チームは大都会で遊ぶことになった。電車に乗るだけで幸せだが、友人のアドバイスで四谷三丁目にある消防博物館に入ってみた。

 ポンプ車に、はしご車に、本物の消防ヘリコプター...魅力的なものばかり。息子の心を奪い取ったものは地下から10階まで並んでいる。火の仕組みとか、江戸時代のひけしをテーマとした展示とか、大人も少し足を止めて「あぁ、面白い...」というところもいくつかあるけど、そこは大体スルーになってしまうのだ。ヘルメットを被ってはしご車に乗るやら、ヘリコプターを操縦して山火事と戦うやら、息子たちは大忙し!そしてまぁ汗びっしょり!散々遊んだ。数日経って今も、「楽しかったね。」「また行こうね」と大好評だ。

そして、もうひとついいところがある。入館無料!東京ってどこへ行ってもお金がかかるものだと思ったけれど、やはり例外もあるんだ。

赤色灯に見とれ、サイレンの音に夢中になり、火と戦う男たちにあこがれている...こんな年頃のお子さんと一緒に東京をぶらぶらする機会があれば、四谷三丁目はお勧めだ。


住所:東京都新宿区四谷3丁目10番
交通:東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」2番出口直結
JR中央本線「信濃町」駅・「四ツ谷」駅から徒歩各約12分
都営新宿線「曙橋」駅から徒歩約7分
開館時間: 午前9時30分~午後5時   (当館のHPより)