2009年12月29日火曜日

楽しみにしていること

 クリスマスがきた。というより、クリスマスはすでに過ぎているが、やっとその思い出をパソコンに打つ余裕ができたのだ。(もうすぐお正月というのだが...)さて、チェコでは、子どもにクリスマス・カレンダーをあげる習慣がある。毎朝、ひとつの窓を開けて「あぁ~また一歩近づいてきたなぁ!」とクリスマスを楽しみにしながら、窓から出てきた小さなチョコを食べる。そうなのだ。ご褒美もある!こうやって子どもたちは、一日一日クリスマスのくる日に臨んでいるには、実は意味がある。降誕節といってキリストの降誕を楽しみにしながら待っているということである。僕は、決してキリスト教徒ではない。もちろん、僕の中には、ユダヤ教とキリスト教が築いてきた文化が潜んでいるに違いない。ただし、息子にはそれを押し付けたくない。ましてや説教なんかしないぞ。

といいながらも、クリスマスの本来の意味について一緒に少し話したいと思って今年は初めてそれに挑戦した。ただし、その話には、キリストを待ち続け、彼の降誕を祝ったという結末がない。キリスト教が広まる以前の人たちだって、暗くて厳しい冬の日々を忍んで冬至を待ち続けただろう。太陽を祝って明るく輝かしい時期がこれから訪れてくることに喜びを感じたに違いない。キリスト教はその祭祀を奪い、太陽の変わりに輝かしいキリストの存在を世界に押し付けたのだが、僕の中では、対象はどうであれ、楽しみながら待ち続けた光にこそこの行事の根源があるように思う。

チェコの伝統を守りながら、我が家のクリスマスプレゼントを、サンタさんじゃなく、”イエジーシェック”といって生まれたばかりのイエス・キリストが持ってきてくれるのだ。ソ連の衛生国だった時代に宗教は大敵であり、共産党による強いプレッシャーでロシアと同様に、クリスマスのプレゼントを宗教色の欠片もない”氷のおじいちゃん”に任せようかという動きが強まった。当時、宗教的意識がすでに低く、教会に通うチェコ人が減っていた中でも、キリスト教と密接に結ばれているイエジーシェックをチェコ人は必死に守り抜いた。その意志を受け継いだ僕のプライドか?まあ、なんといっても、聖ニコラウス伝説に、北欧の昔話などを混ぜ込んでコカ・コーラ社に作り出されたサンタさんにだけ負けたくない。クリスマスの語源だって、ギリシア語の”キリスト”にあり、キリストの降誕際を示すのだ。だったら、クリスマスを祝うのなら、消費主義大祭のシンボルとなった煙突から入ってくるコカ・コーラのキャラクターだけじゃなく、クリスマスそのものについて少しは調べてみろといいたいくらい。むろん、サンタさんでもいいし、素敵なハヌカーでもいいし、ケルト族の冬至祭でもよし...怖いのは、空っぽの”クリスマス”だ。中身を伴わない殻。


まあ、正直に、子どもにとってみれば、サンタさんであれ、イエジーシェックであれ、プレゼントをもらえば、目が輝くだろう。ただし、物事の本質を考える種をまいておきたい。その種のお世話は本人の仕事だが、ともかくたくさんの種をまくこと。


2009年12月25日金曜日

冬が来た。


この数日は暖かくなって街に積もった雪が少しづつ解けているのだが、周りの山は白雪を纏い、とても美しい。特に今日のような晴れた日。

雪かきを毎日のようにしなければならないとか、雪下ろししないと、屋根が潰れてしまうとか、白い雪道をおそるおそる走るとか、雪には怖い顔がありながらも、雪なくしては、この美しい越後の姿が生まれなかっただろう。それに、息子と雪遊び…最高!

薪割り


 何処へ行っても、僕は必ず薪割りをする。友人のお家でも、久々に帰った実家でも、この間も、その前も…喜んでやるぞ。身体を動かしながら、頭はオフに近い状態。割った薪がどんどん増え、みながら達成感を味わう。疲れを感じつつも、やり続ける。そうすると、今度は身体もオフになる。だら~んとしていて、なぜかこころも穏やかになって、非常に落ち着いた状態。そして、何といっても仕事を終えたあとの一杯はうまいのだ!
 
 もうひとつ、最初から書きたかったことがある。それは、薪そのものに関係している。寒い冬に入ると、誰かがこの薪を使って部屋を暖かくする。今、作業をやっている我らの一部がこの薪に伝って暖かいを部屋をつくっていくのだ。何だかいい気分さ。

video

2009年12月15日火曜日

佑介のライブ曲 公開中

瀬谷佑介さんがのライブで唄った一曲がYouTubeで公開されている。11月中旬に高田小町で開かれた今回のライ ブは、「チェコの風に吹かれて」というのをのテーマにして、チェコの旅 について振り返ったものだった。チェコでのライブを聴きに来てくれたお客さんへのご挨 拶もかねてチェコ語字幕をつけて配信しているのだ。

瀬谷佑介『僕の仕事』 【高田小町 11月14日】

男結び

結び方のマニアではない。僕はどちらかというと、苦手なほうだ。靴紐は最高のレベルみたいなやつ。新しい結び方を苦労して苦労して覚えたってすぐに忘れてしまいそうなタイプ。

じゃ、”男”がキーワードになるのか。女結びと比較してジェンダー論の展開か…そんな記事を書くつもりもない。

数週間も前のことだが、今年も山かんじきを作ってみた。越後の里山に必要なものとして今まで何度も何度もかんじきを作った地元のおじぃに教えてもらいながら、今年もあぶらちゃんの枝を切って火に炙って曲げてみた。曲げた直後、よい形に仕上げて即座に結ばなければならない。そのときは男結びの出番だ。越後の人たちを支えてきた男結び。それほど難しくはない。感動することなんかない。紐をう
まく結んでかんじきの型を固定する。おしまいだ。それだけだ。

でも、その結び方の中に何かが潜んでいる。里山の生活、いや人生の根
底がそこにある。忠実で、かつ簡潔だ。それに実用的だ。飾りなんかひとつもない。空想の世界じゃなく、現実だ。日々の山の仕事と田の仕事が細かく刻まれているおじぃの手をじっくりみながら、僕はそう思った。その瞬間に、本に書かれていること、大学で教えられていること、テレビで語られていること、すべては要らない飾りにしかみえなかった。その日に後何回もおじぃの素早い手は男結びについて物語ってくれた。言葉ひとつも口に出さずに…

2009年12月8日火曜日

高野山

この間、初めて高野山にいってきた。ただし、旅行ではなく、たまたま高野山大学で学会が開かれ、それに参加したということだ。観光のつもりできたわけでもないのに、高野山の雰囲気に魅了されてついカメラをシャッターを切ってしまった。何枚かの写真を選んだので、スライドショーはこちらへどうぞ。

お寺に泊まり、精進料理を食べたり、朝のお勤めに出たり、高野山ならではの二日間だった。朝早く起きて秋の太陽を浴びながら散歩もできた。11月だったので、さすがにひんやりしていたが、心配していたほど寒くはなかった。時間の許す限りいろんなお寺さんを回って、久しぶりに自分のマニアに気づいた。寺院の屋根に夢中。まずは、形だ。西洋ではなかなか目にできない、あのなだらかさ!毎回感動する。相当重たいに違いないが、軽く浮いているようにも見えるのだ。やさしい形だ。それに、構造というか、素材というか。数えきれないくらい、何層も何層も重なって…

学会参加ということで、朝から晩まで講演やワークショップの連続で、高野山をもう一度ゆっくりみてみたいという気持ちがある。帰りのとき、山を下るときのことだった。薄暗くなって谷が雲海に沈んでいた。まるで別世界にいるような気分。あぁ、これからまた人間の世界に戻らなくちゃという感じ。やはりもう一回高野山に行かなくちゃ…

2009年11月17日火曜日

チェコ語講座 【チェコ語が3分できますよ】

数日前にチェコツアーを終えたばかりの瀬谷佑介さんのライブを聴かせてもらった。チェコのことをいかにみたか、いかに感じたかは、チェコ人として興味深い。それに、チェコで経験したことがもしかして唄として姿を現わしてくるのではという期待も。
ライブは、古い町屋の雰囲気を感じさせるような高田小町で行われ、薄暗い中で、味わい深かった。とてもよかった。そしてチェコの唄も登場したのだ!その場の雰囲気にのってチェコ語の授業が突然始まり、その場で即座に創作した曲を(佑介さんの許可を得て)このブログで配信いたします~。

video
まさにチェコへこれから赴くあなたのための曲です。挨拶も、お店での注文でも、数分でできます。この優れた教材をどんどん活かしてください。唄いながらチェコを旅する…いいなぁ…

チェコの香り?

チェコの洗剤はかなり匂うのだ。花原の香だとか、山の香だとか、青空の香だとか...(青空ってどんな匂いだったっけ)いろいろあるが、ともかく強く匂うのは特徴だ。本当に強い!付いてしまえば、なかなか消えない恐ろしいもんだ。チェコで出会ったある日本人がシャツをチェコのクリーニングに出してしまった後、「何度も何度も水洗いをしてもあの匂いが落ちない!」と絶望的な顔をして相談にきたこともある。
日本の洗剤に慣れたせいか、この間チェコへ行ったら、「何だこのにおい!」と何回も首をかしげていた。チェコで洗ってもらった服を着て、一日何回も「何これ?!」と鼻に付いたにおいにびっくりし、鼻にしわを寄せながら、そのにおいを出している犯人を思わず探ることも…どんな臭気が現れてきても、それに負けない勢いでバラのように甘く匂う戦略だろうけども、こびり付いたらもう落とせないぞ。本当に!
チェコで洗濯した服をいっぱい積んだリュックがまだ車の中に置きっ放しだ(押入に入らないからだ)。車に乗ると、あのにおいが漂ってくる。まだ出発していないのに、なんだかチェコへと帰ったような気分。そのうちにそれが懐かしくなって愛しくなった。あぁ、チェコのにおいだ。故郷のにおいだ!車に乗るたびに里帰り。ただし、長続きはしない。臭覚っていろんな刺激に早くも反応するけど、そのうちそれに慣れてきて反応しなくなるらしい。どんな臭いにおいでも人間って大体慣れてくるようだ。幸いなことに…