2010年9月19日日曜日

はさば

本来ならば、お盆の時期に合わせて「はさば」の準備をするが、8月は忙しく、9月に入ってから刈った稲を干すはさばを整えることができた。まずは、草刈りして、最近使っていない棒を選別した。そうそう、コンバインと乾燥機を使えばすぐに済むから、はさが全く要らなくなった農家は増えている。でも、せっかくだから…確かにやってみたいという気持ちはあったし、それに何の機械も持っていない僕らは”マニュアル”でやるしかない。稲刈りは僕らのペースでちょっとずつやって、はさで干していくという感じ。

結び方は単純だが、深い知恵が中に入っている。
師匠が縄を結んでいる姿をみて、
確かに簡単そうにみえたけど、
どんなに小さくても
すべての動きには意味がある、
素人の目にはみえない
大事なポイントも山ほど。
教えてもらったのは、基本中の基本。
あとは試行錯誤なのだ。

膝の位置にも意味がある。
各作業のときの姿勢にも。
油断してしまう、転落したり、
怪我したり…

一間には1俵くらいは入るだろうという計算。雑草に栄養を
奪われたうちの田んぼで
どれくらいとれるかな、
と少し不安になった。

いよいよ完成。4段できた。

煙と共に休日

9月に入って最初の週末。家族でお約束のSL旅行。新潟市から会津若松に向かって走るシゴナナ、磐越物語号に乗ってきた。鉄っちゃんが撮ったかのような、マニアとしか思えないような様々な”部品”や蒸気機関車のいろんなところを写した写真が山ほど。くまっ子のための旅というより、親のはしゃぐ旅だった、と反省中。

新津駅。シゴナナの実家。

ほんとに美しい。魅了されちゃうこの”からだ”に…

針やいろんなレバーがいっぱい。石炭を燃やしているところ
もちらっとみえる。
そういえば、
くまっ子は
お土産に石炭を
一個もらった。

黄金の色になった越後平野から山に入って、
阿賀野川の川沿いを走る磐越物語
から途中で降りた。
狐の嫁入りで有名になった
津川で温泉と殿様街道散策。

車じゃないから、
一杯呑める。
それはうれしいこと、うれしいこと。
まさしく久々の休日。

2010年9月12日日曜日

8月の田んぼ ③ 雨降らん

稲作の初挑戦で、無農薬にこだわって、肥料もぼかし(米ぬかを発酵させたもの)のみ。それに、山奥の天水田というのもあって、冷たい山水が湧いてくるところの発育と畦側の暖かいところの間にかなりの差がある。田んぼの中を歩くだけで感じるこの差。天水田のもう一つの特徴というのは,茎なのだ。稲たちが常に水の中に育つことによって、茎の数がほかの田んぼより少なくなる。水を求め、次から次へと新しい茎を作らなくても済むから。その分、分厚い茎ができ、米粒ひとつひとつもでっかくなるという。でっかい粒もまた美味しいといわれるけど、初挑戦という僕らは、そこまでは期待できない。

山から流れてくる水を大切にして貯めておいたけど、今年、降水量があまりにも少なく、8月末になると、水はほぼ消えてしまった。雨乞いしたくなるくらい、雨少なかったな。それでも稲たちは頑張って…

蛇たちとトンボたち、里山は相変わらず生き生きしてて、草取りという重荷を肩からおろした僕らは、畦刈りの合間に、いろんな生き物たちをゆっくりと観察することができた。近くの川で今年も鮎釣りをやりたかったけど、そんな贅沢はいえない。やりたいけどな…師匠からもらった鮎の山椒煮を食べながら、そう思っていた。
今年、イネミゾウムシの被害も結構あって、豊作は期待できないけれども、畦を歩きながら、風で揺れる穂たちを眺めると、何だかとってもいい気持ちになる。

8月の田んぼ ② 草刈り

草取りはできなくなり、田んぼの中には入らないけど、今度は畦や田んぼの周りを刈らなければならない。草刈りや畦刈りの時期。おばあちゃんが畦に植えた豆のところを丁寧にカマで刈る。

畦などは、もちろんカマじゃなく、草刈り機の力を借りる。いずれにしても疲れるんだよ。特に今年は暑くて暑くて…汗をだらだら流しながら、刈った直後また生えてくると思えるくらい元気な草たちと終わりのない戦いだ。
ほんとに疲れるんだよ。

8月の田んぼ ① 穂

これやってあれやって、気がついたら、もう9月。その間、田んぼは大きく成長してきた。これからは時間をかけて山の小さな田んぼが遂げた大きな成長を振り返りたいと思う。


まずは、8月に入ると、穂がでる。ほんとに心配してたんだけど、出るかなあ、と。だが、穂って必ず出るんだ。稲の発育がどんなに遅くても力絞って穂を出す。僕らみたいなダメな農民でも、稲はがんばってくれる。白い花が咲いて、いいにおいが漂ってくる。穂が出た!

ただし、穂は出ると、草取りができなくなる。穂に傷つけてはいけないし、稲自体も大きくなっているので、田んぼにはもはや入れないから。それで、それまで戦っていた雑草たちも元気になって、知らん顔しながら、みるみる大きくなっていく。そして花を咲かせるのは、稲だけでなく、コナギも、他の雑草も。考えたら、可愛いらしい花だが、なんだかむかつく。おまんのためにこの田んぼを耕したわけじゃないぞ、と。でもいくらぶつぶついっても稲の下に雑草の絨毯ができちゃう。お薬使わないもんだから…

稲の栄養を奪ってコナギも花を咲かせる